第114号:社員を本気にさせるために重要な社長の決断とは・・・
先日、経営相談で新規事業に対する相談をされました。話を聞けば、既存事業の業績が少しずつ低下していることを心配して、新規事業に着手したいということでした。既存事業の売上アップのために様々な取り組みを行っているものの、一向に打開策を見いだすことができず、価格競争の波から抜け出すことができない状況に苦しんでいました。
価格競争の波に飲み込まれている会社に必要な「辞める決断」とは?
このように、価格競争の波にのみ込まれて衰退している企業と、自社の存在意義を見出して成長している会社との差がますます開いています。その違いは、経営者の決断の違いです。価格競争の波に飲み込まれている会社は、何かを「始める決断」ばかりして、「辞める決断」をしていません。
成熟経済において経営者に求められるのは「辞める決断」をすることです。経営をシンプルにすることが大切なのです。なぜならば、今はどの企業も商品自体の差はそれほどないため「ビフォアサービス」「アフターサービス」の差が顧客価値を決めるからです。
サービスの質を高めていくためには、自社の最も重要なお客様や商品を絞り込み、そのお客様にとっての付加価値を上げるためのサービスを向上させることが重要です。「商品」「サービス」「新事業」は広げれば広げるほど、社員の意識は分散、業務は多忙化し、サービスの質の低下を招きます。そしてそれはお客様満足を低下させ、価格でしか選ばれない会社になっていく原因となり、社員のモチベーションを下げ、売上を追求することにも疑問を抱くようになるのです。それが退職の原因にもなっていきます。
自社の商品を適正価格で買っていただくための努力について
成熟経済で重要になるのは、売上ではなく利益の確保です。それには、自社の商品を適正価格で買っていただかなければいけません。
価格競争に巻き込まれ適正価格をいただけないビジネスモデルを改善し、売上だけを追求していく経営方針を見直さない限り、問題はなくなりません。
経営をシンプルにし、お客様の満足度を上げるためのサービス向上に努めましょう。それが利益率アップにつながり、会社の収益を上げてくれます。
あなたは普段どんな決断をしていますか?
画像引用:photo AC